マルメロの栄養と健康効果

マルメロの特徴

 

マルメロは、バラ科マルメロ属の1種となる落葉高木で、マルメロ属はマルメロだけの1属1種となっています。

 

もともとポルトガル語では、マルメロは本来果実の名前となっており、樹は「マルメレイロ」といいます。英語では「クインス」です。そして別名が「セイヨウカリン」です。漢字で「木瓜」の字を充てることもあるのですが、セイヨウカリン、カリンも、ボケ(木瓜)も別属なのです。

 

しかし、前述の通り、カリン属とは、非常に近縁で、他にも、リンゴ属、ナシ属とも、バラ科の中で比較的近い関係にあります。

 

マルメロの原産地は中央アジアのイランやトルキスタンなどとされています。かなり古くにヨーロッパにも伝わって、既に古代ローマ時代には栽培もされていたようです。アメリカには大陸発見後の移民によって伝わりました。1600年代には日本にもポルトガルから長崎経由で伝来してきたといわれています。

 

「本草綱目啓蒙」という書物でも、マルメロは「カリンに似ているが、香気はカリンよりも少ない」と記述されています。歴史上においてはカリンの方が日本に早く伝来してきています。しかし、カリンには品種がなく、また、マルメロは生でも食べられますが、カリンは食べられないのです。

 

マルメロの果実は偽果で、洋梨形をしており、熟すと明るい黄橙色になります。長さが7~12cm、幅6~9cmあたりで、中の果実は緑色です。

 

食用についてですが、果実は芳香もありますが酸味が強く、また、硬い繊維質と石細胞があるので、あまり生食には適していないといえます。

 

そこでカリンと同様に、果実酒が造られ、これはカリン酒に似て香りの良い果実酒になります。更には蜂蜜漬けたジャムなどが作られています。ちなみに「マーマレード」は、実はマルメロの砂糖漬けが語源となっています。